第49話:五つの罠

作:北 南さん


-From 1-
 とある町の宿屋の一室。その部屋でゼルガディスは本を読んでいた。
 テーブルには定量の本が山住になっている。彼の横には読み終えたテーブルの上以上のほんの山が積んである。
「……これも違うか。」
 と、つぶやくと読み終えた本を横に置きまた別の本へと手を伸ばしたときだった。
「ゼルガディスさ〜ん。」
 と、虚空からゼロスが現れたのは、
「………何のようだ。ゼロス」
 本を取り開きながら言うゼルガディスにゼロスは
「プレゼントを持ってきました。」
 と、何かを渡そうとするがゼルガディスは本から目をそらさず。………つもりは、プレゼントを見もせずに、
「いらん。持って帰れ。」
 と、言った。
「え〜。せっかく持ってきたのに、ひどいじゃないですか。」
「やかましい。」
 と、ゼルガディスはゼロスに言う。
「貴様が持ってきたプレゼントのしびれ薬入りジュースを飲んだ時のことはそう昔じゃないぞ。」
 しびれて動けないゼルガディスにゼロスが何かをしようとしたとき、リナの盗賊いじめの爆音でアメリアがゼルガディスを呼びに行って事なきを得た物の、層でなかったらどうなっていたのか。
 その言葉にゼロスは、
「そんな、一週間前のことを言われても………。」
「とにかく、」
 隅っこでいじいじとのの字を書き始めたゼロスにゼルガディスは、
「貴様の持ってきた物は受け取らんと心に決めたんだ。」
 もしも、ここでリナが居ればクレアバイブルならどうするのかと聞いていたかもしれない台詞を言うゼルガディス。
 ゼロスは肩をすくめて扉から出たのだった。

「と、言うわけでゼルガディスさんにこれの内どれか一つでも良いから食べてほしいんです。」
「なにが、と、言うわけでなのよ。」
 と、リナは不機嫌そうに言った。
 宝石の護符を創っていた最中に、いきなりやってきたゼロスに不快感を隠そうともしない。
「だいたい、そんなあやしい物を食べさせる手伝いなんかした日には、ゼルにあたしまで殺されかけるわよ。
 あたしは、あんたと違ってか弱い美少女の人間なのよ。」
「か弱いという言葉以外は、納得しますが………。」
「絶対手伝ないから。」
 ゼロスの言葉に、リナはギロリとにらみつけて言う。
「第一、あたしに何の得があって………。」
 と、言うリナに、
「手伝ってくれたら、………これを、」
 と、ゼロスが見せたのは袋いっぱいのオリハルコン。
「……!………」
 リナの目が妖しく光、そしてしばし考え込む様子を見せる。ゼロスは、続けざまに
「さらに、これをつけます。」
 と、見せたのは三袋分の天然の大玉真珠、白だけではなく黒に桃色もある。
「……で、何を食べさせたいのよ。」
 と、リナは言った。もしも、この場にゼルガディスが居たらはくじょーものと怒鳴っていただろう。
「これです。」
 それをリナは見ると、
「……どれでも良いって事は、ほかの奴らは食べない方が良いてことね。」
 と、リナが言うと、
「ええ。」
 と、ゼロスは笑みを浮かべて言う。
「………必要経費はそっち持ちだからね。」
 と、リナが言うとリナは近所の八百屋へと向かった。

「ゼルガディスさ〜ん。」
 と、アメリアに呼ばれ振り向くとアメリアがフルーツとなぜかあめ玉の瓶詰めを持って部屋に入っていた。
 外を見るともう日が暮れかけている。
 早めの夕食を取ったのだが、少々小腹が空いている。
「リナさんが、もらったんだけどどうかって。一つ好きなのをくれるそうです。
 余ったら、返すようにとも言ってました。」
 と、アメリアが見せた籠の中にはリンゴに、洋梨、葡萄に、オレンジ、そしてなぜかあめ玉があった。
「なんで、フルーツの盛り合わせの中にあめ玉があるんだ。」
 ゼルガディスの疑問にアメリアは、
「………さぁ。あ、ガウリィさんも私も選びましたから。
 私、イチゴを選んだんです。」
 と、答える必要のないことまで答える。
「なら、俺は………」
 と、ゼルガディスはそれを手に取った。

-To 赤い果実の罠【18禁】-
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-To 白く甘いお菓子【18禁】-

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