-From 49-
手にとって食べ始めた葡萄を見ていると、思い出したのはゼロスのことだった。
あいつの瞳もこういう色だったなと思い出す。
普段見せないが、瞳をあけて浮かべる笑みはいつもの人良さそうな笑みとは違い魔族らしいとほめているのかけなしているのか、わからないが怖い笑みを浮かべている時だ。
そんなことを考えながら葡萄を食べ終えると、疲れをとるために布団に潜り込んだ。
「………さん。……ゼル……さん。
ゼルガディスさん。」
と、呼ばれゼルガディスは目を覚ますと目の前に笑みを浮かべたゼロスが居た。
問答無用で殴り倒そうとしたとき、気づく。
体が変だ。
パジャマがだぶだぶでサイズが大きい。否、正確には体が小さくなっていた。
キメラとなった体は変わっていないが、十五、六才ぐらいだと想われる。
「………どういうことだ。」
と、唖然としているゼルガディスに、ゼロスは
「いや〜。美少年ですねvv
ゼルガディスさん。」
と、楽しげに言う。
「貴様、一体何をした。」
と、ゼルガディスが聞くと
「……リナさんは物欲に正直だったんですねv
僕は、ゼルガディスさんへの愛に正直なんですけどねvv」
「その、愛で俺を若返らせたのか?」
と、かなり怖い顔で言うがゼロスは、
「いやちゃんと理由があるんですよ。」
と、言う。
魔族は嘘は言わない。
その言葉を思い出し、ゼルガディスは
「言ってみろ。」
と、促す。
「クレアバイブルの写本を探している最中に、レゾの研究所を見つけたんです。
そこには、クレアバイブルの写本がありました。
あ、言っときますけど、キメラを元に戻す方法はありませんでしたよ。
強力な媚薬の作り方が書いてありましたけど………。」
ゼルガディスは一瞬忌まわしい記憶が甦りかけて引きつく。
「そこのメモリーオーブにゼルガディスさんの少年期のすてきな姿が記録されていたんですよ。
みだらに寝ているゼルガディスさんやかわいいドレスを着たゼルガディスさんの映像があって是非とも生で見たいと想ったんですvv
ゼフィーリアの人間には立ち入れない森と谷の奥深くに、ある葡萄のみにそう言えば若返り効果がある実があったので、使ってみました。」
と、笑顔で言うゼロスにゼルガディスはラ=ティルトの呪文を唱え始める。
「安心してください。そこにいたウエイトレスさんに戻し方も教わりましたから。」
「………いま、裁きの………なんで、そこにウエイトレスが居るんだ。」
と、呪文を中断してゼルガディスが聞くとゼロスは、
「さぁ。」
と、肩をすくめた。そして、
「うーんと、激しい運動をすれば良いんですよ。
要は、汗を流せば良いんです。
で・す・か・らvvv」
と、ゼロスはゼルガディスに唇を重ねると押し倒した。
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