-From 2-
そこには予想通りの人物が居た――いや、人物、と言っていいのか…。
「また来たのか、ゼロス」
魔族の神官は意味不明の笑みをたたえたまま、岩場に立つゼルガディスに並びかけた。
合成獣剣士が訪問者から街の灯りに目を戻すと、ゼロスも街の方を見やり、笑いを含んだ声で言った。
「あの街には、あなたの求めるモノはありませんよ」
いつも、コイツの台詞は同じだ。
幸い、この魔族は嘘を言わない。ということはあと数日を無駄にせずに済むということだ。明朝になれば、リナたちに事情を説明して次の目的地へ向かおう。
いや・・・彼女たちは調べモノが無くても珍味さえあれば、街に足を運びたがるだろうが、それくらいならつきあってもいい。また彼と過ごす時間が増えるのだから。
-To 訪問者の思惑-
-To 想いの行方-
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