-From 3-
「いやあ全く…妬けますねぇ。貴方にそんな顔をさせてしまう人に」
ふとよぎった想い人の面影に、どうやららしくもない表情をこの魔族に見せてしまったようだ。
ゼルガディスは内心舌打ちをしてゼロスを睨みつけた。
──この魔族は油断がならない。そして…何故だか自分に妙なパルスを向けてくる。
以前は時々、だが最近では常に感じるようになってきているそれは、まるで粘着質の空気が纏わりついてくるようで、ゼルガディスにとっては不快なものでしかない。相手が何を考えて自分を見ているのかは解らないが、どうせ魔族の考えなどろくでもないことには違いないだろう。理解したくもないが、それが自分に関わってくるとなると無視し続けることも危険だ。もしも災難が自分だけに止まらず、彼にまで及ぼうものなら……。
ゼルガディスはいい機会だとばかり、以前からの疑問をゼロスにぶつけようと口を開いた。
-To 全てはあなたのために-
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