第22話:我がうるわしのルル=グレイワーズ

作:夢見がちさん


-From 21-
 しー………ん……
 長い沈黙を突き破ったのは、ゼル…ルルの叫びだった。
 「ふざけるな!何が楽しゅうてこんな格好をもう1度しなけりゃならんのだ!」
 「いいじゃないですか。似合ってるし」
 「よくないっ!」
 ゼロスが不敵に微笑むと、まるでルルの魅力にひきつかれたかのように、レゾとガウリイもしみじみうなずきながら言った。
 「そう言われてみると……確かによく似合っているのぉ……私の孫は、こんなに女っぽかったかな……?」
 「おおおお〜〜!すげぇ!やっぱり俺のルルは美人だよなぁ〜!」
 「ガウリイ!お前まで何を言ってるんだ!つーか、勝手にルルって呼ぶんじゃない!」
 「先ほども言いましたが、似合ってるんだからいいじゃないですか」
 「似合ってない!そもそも似合ってるからいいという問題じゃないだろう!」
 しばらく口論を続けている男性陣(+1名女性)だが、さあこれを眺めているリナはおもしろくない。
 ちなみにアメリアは、ゼルガディスのあまりの変身っぷりに、目を輝かせている。
 「気に入らないわね……どうしてこんな美少女のあたしはほったらかしにされて、本来は男のゼルが綺麗って言われるわけ!?しかもどうしてゼルの方が胸が大きいわけ!?」
 「リナさん、ゼルガディスさんじゃなくて、ルルさんですよ」
 「あああアメリアまでぇ……」
 リナは大きくため息をついた。

 さてこちらは男性陣(+女性1名)。
 「ん〜〜〜……やっぱりさいっっっっこうに美しいですよ、ル・ル・さん♪さすがは僕のルルさんですね☆」
 「ルルさん言うな」
 「いいじゃないですかぁ」
 「よくないと言っとるだろーが!」
 レゾとガウリイも、すかさず対抗する。
 「聞こえなかったのかね、プリーストのゼロスとやら。ルルはお前のではなく私のだと言ったはずだが」
 「お前のでもねえよ、くそぢぢいっ!お前までルルって言うな!」
 「じゃあ俺ならいいんだな?」
 「こら!ガウリイ!お前、どさくさに紛れて変なとこ触ってんじゃない!」
 ガウリイの手は、自然とルルの胸の当たりに触れていた。
 「そうですよガウリイさん、今すぐルルさんから離れてください」
 「そうだ、離れろ若造」
 「い・や・だ」
 そう言うと、ガウリイはひょいっとルルをお姫様抱っこして、目にもとまらぬスピードで、どこかへ消え去ってしまった。
 「行っちゃいましたね……」
 「ものすごいスピードだったの……」
 「ガウリイさん……あのルルさんを抱えてあんなスピードが出せるなんて……どれだけ腕力あるんですか……?」
 「しかも魔族並みの消え方したし……」
 みんな、全然違う方向でガウリイとルルの消えた先を見つめていると。
 『っあああああああ!!』
 ルルをガウリイにとられたことに今頃気づき、全員が大絶叫をあげた。

-To 身体の変化【18禁】-

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