-From 21-
しー………ん……
長い沈黙を突き破ったのは、ゼル…ルルの叫びだった。
「ふざけるな!何が楽しゅうてこんな格好をもう1度しなけりゃならんのだ!」
「いいじゃないですか。似合ってるし」
「よくないっ!」
ゼロスが不敵に微笑むと、まるでルルの魅力にひきつかれたかのように、レゾとガウリイもしみじみうなずきながら言った。
「そう言われてみると……確かによく似合っているのぉ……私の孫は、こんなに女っぽかったかな……?」
「おおおお〜〜!すげぇ!やっぱり俺のルルは美人だよなぁ〜!」
「ガウリイ!お前まで何を言ってるんだ!つーか、勝手にルルって呼ぶんじゃない!」
「先ほども言いましたが、似合ってるんだからいいじゃないですか」
「似合ってない!そもそも似合ってるからいいという問題じゃないだろう!」
しばらく口論を続けている男性陣(+1名女性)だが、さあこれを眺めているリナはおもしろくない。
ちなみにアメリアは、ゼルガディスのあまりの変身っぷりに、目を輝かせている。
「気に入らないわね……どうしてこんな美少女のあたしはほったらかしにされて、本来は男のゼルが綺麗って言われるわけ!?しかもどうしてゼルの方が胸が大きいわけ!?」
「リナさん、ゼルガディスさんじゃなくて、ルルさんですよ」
「あああアメリアまでぇ……」
リナは大きくため息をついた。
さてこちらは男性陣(+女性1名)。
「ん〜〜〜……やっぱりさいっっっっこうに美しいですよ、ル・ル・さん♪さすがは僕のルルさんですね☆」
「ルルさん言うな」
「いいじゃないですかぁ」
「よくないと言っとるだろーが!」
レゾとガウリイも、すかさず対抗する。
「聞こえなかったのかね、プリーストのゼロスとやら。ルルはお前のではなく私のだと言ったはずだが」
「お前のでもねえよ、くそぢぢいっ!お前までルルって言うな!」
「じゃあ俺ならいいんだな?」
「こら!ガウリイ!お前、どさくさに紛れて変なとこ触ってんじゃない!」
ガウリイの手は、自然とルルの胸の当たりに触れていた。
「そうですよガウリイさん、今すぐルルさんから離れてください」
「そうだ、離れろ若造」
「い・や・だ」
そう言うと、ガウリイはひょいっとルルをお姫様抱っこして、目にもとまらぬスピードで、どこかへ消え去ってしまった。
「行っちゃいましたね……」
「ものすごいスピードだったの……」
「ガウリイさん……あのルルさんを抱えてあんなスピードが出せるなんて……どれだけ腕力あるんですか……?」
「しかも魔族並みの消え方したし……」
みんな、全然違う方向でガウリイとルルの消えた先を見つめていると。
『っあああああああ!!』
ルルをガウリイにとられたことに今頃気づき、全員が大絶叫をあげた。
-To 身体の変化【18禁】-
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