第10話:闇と闇の化学反応

作:柏餅さん


-From 9-
ゼロスはゼルを柔らかく抱きしめすぅっと解放した。
「好み?それはそれは。ゼルガディスさんらしく無い質問ですね?」
「らしくない?」
ゼルが眉間に皺を寄せるとゼルはふわっと宙に浮いた。
そうです、と言う肯定と共にゼロスは言葉を続ける。
「貴方はいつも選ぶ立場でモノを見るでしょう?伺うような選ばれる立場でモノを見るなんていつものゼルガディスさんの口から出たとは思えない言葉ですね」
ゼルが何も言い返さず視線を厳しくしてもゼロスは動じない。
「それとも僕といると『あの方』を思いだしますか?」
赤法師レゾ。
「奴の事は思いださせるな!」
耐えかねたように勢い良く立ち上がったゼルを、ゼロスは攫うように抱き抱えベッドに押し倒した。
「思いださせなければ良いんですか?」
色を帯びたセリフ。
ゼルは一瞬言葉を失い、鼓動が早くなるのを感じた。

-To 忘れたい-

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