第25話:下級呼ばわりしたり

作:みずあめさん


-From 12-
いきなりキスの要求で驚いてるのもあるが
その前に可笑しいと思わなければいけない1つある。
死んだはずの人間がなぜここにいるのか。
「な・・なんで」
恐怖か驚きか。
一歩後ろの引いたゼルがディスは、もしかしたら
その勢いで強力な呪文をこの部屋で撃ってしまうんじゃないか
というくらいの雰囲気をただよわせてる。
「なんでって、ゼルガディスのことが心配で・・」
「だからって何で生き返るんだ!?」
もっともなこと言っている。
流石はツッコミ役と言ったところか。
「それはもちろん一緒に滅んだはずのシャブラニグドゥを
 脅して・・いやいや、協力してもらってですよ」
脅した。
確かにこの赤姿はそう言った。
いやもしかしたら、この赤法師ならば
シャブラニグドゥの欠片。しかも傷だらけのなら
一発で本当に滅ぼしてしまうんじゃないか。
くらいな気はする。
「っ・・いやぁ少々復活するのに手間がかかりましたよ」
どこからともなく聞こえるのは
さっき勢いよく飛ばされたゼロス。
手間がかかったということは突き飛ばす時に
なにか手に呪文でもかけていたんじゃないんだろうか。
「おや?この変人おかっぱは誰です?」
「変人・・僕は獣王ゼラス様の部下、獣神官ゼロスです」
ゼロスの笑顔は引きつったような笑みで。
いつもの冷静さが欠けている。
「獣神官・・ほぉその獣神官ごときが、私の可愛いゼルガディスの
腰を撫でたりしてたんですか。いや獣神官ごときっていうのも敬意がある。
下級魔族で充分です」

-To ゼル様の苦悩-

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