-From 18-
突然現れた救いの手(?)ロディマスに、ゼルガディスは助けを求めた。
「ロディマス!ちょうどいいところへ!」
「ゼルガディス殿!お前ら、ゼルガディス殿に何を……」
「話はいい!早く助けてくれ!」
「承知しました!」
言うなり、ロディマスは呪文を唱え始める。が、そこでゼルガディスの前に突っ立ったのは、ガウリイだった。
「おい、おっさんよぉ。本気で俺たちに呪文をぶつける気なのか?もしそうなら、遠慮無くやれよ。ただし、俺がよければ、ここにいるゼルガディスに直撃するぜ」
「くっ……!」
ガウリイにさえぎられ、ロディマスは呪文の詠唱を中断した。
「何処の誰だか知らないけれど、ゼルガディスさんを奪おうとするその悪の心!許しません!」
「どっちが悪だ!そっちこそ、俺が忠実を誓ったゼルガディス殿に対してよからぬことをして、正真正銘の悪だろうが!」
ロディマスは顔を朱に染めて抵抗した。
「ところで、おっさん誰だ?見たところ、とてもゼルの親類には思えないが」
ガウリイが真顔でさらりと言った。
「だぁぁぁぁ!ロディマスだロディマス!忘れるな!いつかシャブラニグドゥを倒したときに、協力しただろうが!」
「ああ!あのときの!あんた生きてたの!?」
声をあげたのはリナだった。
「失礼なことを言うなリナ=インバース!ゼルガディス殿のことを思うと、死ぬに死ねなかったのだ!」
「ロディマス、お前……」
「今思えば、ゼルガディス殿をもっと早く抱いていれば……」
『をい』
リナとゼルガディスが同時に突っ込んだ。
「それ、お前もセクハラじゃねーか……」
「何をおっしゃいますかゼルガディス殿!私はただ、死ぬ前にゼルガディス殿を満足させてあげようと……!」
「……それ……単にお前が満足したいだけだろう?」
「それに、あたしのような美少女ならともかく、男でしかも上司のゼルガディスを抱きたいだなんて……。セクハラ以前の問題よね」
『ゼルガディス(さん)はリナ(さん)よりもセクスィだ(です)』
発音までも正確に、ゼロスとガウリイの声がハモった。
「そうそう、その通り……って、そんなことより!早くゼルガディス殿から離れろ!お前らと一緒にしておくと、何をされるか分からん!ゼルガディス殿は俺が保護する!」
「……お前だからこそ心配なんだけどな……」
「それに、ロディマスさんの場合は保護というより監禁です……」
ゼルガディスとアメリアがぼそぼそとつぶやき、リナはただゼロスとガウリイが自分はゼルガディスよりも色気がないと言われて放心状態になり、ロディマスとゼロスとガウリイはにらみ合っていた。そして、ガウリイが言った。
「こうなったら……決闘だな。誰がゼルにふさわしいか、勝負だ、ロディマス」
「よかろう!」
-To 第1話美しい人-
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